イベント哲学:第3回

何のためにそれをやるのか

~~カーディーラーなのに車の話をしてはいけない感謝祭~~~

お客様に仕事の話はするな!?

今の会社を立ち上げる前、私は車のディーラーの支店長をしていました。
今回は、その頃経験した忘れられないお話しをしましょう。

ある時「お客様感謝祭」を開催することになりました。お客様に当社のショールームに来ていただき、一日遊んで楽しんでいただくというイベントです。
そのイベント開催にあたり上司から強く言われた言葉があります。
さて、何だと思いますか?

なんと「お客様に仕事の話は一切するな」でした。

車のディーラーなのに、車の話は一切するな、というのです。いったいなぜなのか。当時の私にはすぐには分かりませんでした。

イベント当日、ショールームには金魚すくいや輪投げ、綿菓子、かき氷などの屋台がたくさん並びました。本当にお祭りです。普段展示してある車をどかしてまで屋台を設置しました。感謝祭で仕事色は出さない。会社をあげて本気でした。

やるなら中途半端ではなく徹底して行う

私もお客様と一緒になって遊びました。子どもたちと本気になって金魚すくいをしたり、時にはビンゴゲームで大いに盛り上がったり。もちろん仕事の話は一切しません。本当に遊びに徹し、心から楽しみました。

すると、不思議なことが起こりました。お客様のほうから「今度車の点検をして欲しい」「新車の説明をして欲しい」「買い替えを考えている」などと声をかけてくださるのです。

さらに感謝祭の開催後、何が起きたと思いますか? なんと今まで以上にお客様からたくさんのお問い合わせをいただいたのです。その月は売り上げがぐんと伸びました。

お客様に楽しんでいただくことが目的ならば、徹底してその目的に沿って行う。中途半端なことはしない。感謝を示すお祭りと言いながら、仕事の話をもちかけていたらどうなっていたでしょうか? つまりはこちらの本気度がお客様の信頼を得ることになり、次の仕事につながっていくのだと思います。

「感謝祭で仕事の話は一切するな」。その意味がはっきりと理解できた体験でした。

目的を達成するためのひと工夫

当時、こんなこともありました。

新天地に新しく支店を開設することが決まり、新支店の存在を知っていただくために支店オープンのチラシを作って新聞に折り込むことになりました。

通常、新聞には色々な広告チラシが何枚も入っています。しかしそのほとんどは目にも留めてもらえず、すぐにまとめて捨てられてしまう可能性が非常に高い。ですからまず目に留めてもらい、さらに、捨てられないように手元に取っておいてもらうことが大事です。そこで、チラシにある工夫をしました。

「塗り絵」です。チラシの裏に塗り絵を入れたのです。

新聞を見ながらチラシを手にした親御さんたちは塗り絵があれば子どもが遊べるようにと、とっておく可能性が高い。そして子どもが塗ったら家族でもう一度そのチラシを見る可能性があります。そうやってお父さんやお母さんの頭のなかに支店オープンの情報が頭に入っていく。さらに塗って持ってきていただけたらそれを店舗に貼ってみんなに見てもらいましょう、ということをやりました。

まずは目に留めてもらい、とっておいてもらい、来店していただく。チラシ作戦は大成功でした。チラシひとつでも何のためなのか目的を明確にすることが非常に大事なのです。

平成30年5月 藤原 宣雄


香川高松のイベント運営・企画支援会社ふじイベントサービスが、これまでに手掛けてきたか数々のイベントから学んだ経験とノウハウを、代表 藤原 宣雄の目線で語ります。
イベント主催者や、イベントに関わる様々な関係者にとって、何かの参考になれば幸いです。


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